研究目的

 近年の急速な高齢化によるさまざまな癌の増加や、さらには国際化によるインフルエンザを中心とした感染症の発生により多くの患者さんが病気の脅威にさらされています。これらの病気の早期診断技術や治療法開発には、疾患に特異的な因子(バイオマーカー)探索や遺伝子解析、さらには治療薬の臨床評価を行うための集約され た橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ)が必須です。私達の研究では、実用化研究の基盤として、豊富な症例を持つ都立病院と密接に連携し、産業界の支援を得て、癌や感染症に対する診断・治療法の開発を行うとともに、早期の実用化に取り組みます。そして新たな医療・ 健康産業の創出や人材育成にも波及する先進的な統合的基礎医学研究システム (Systems Medical Research)の確立を目指すとともに、「疾患フリーライフ」の実現により皆さんの健康を守っていきます。

低酸素ストレスと血管新生

低酸素に反応するバイオストレスシグナルは、まさに生命現象の根幹をなし、また、多くの重要な疾患の機序を解明するための大きな糸口になることが明らかになってきました。この中で低酸素反応性因子(HIF: Hypoxia Inducible Factor)を介する情報伝達系は、アトピー性疾患などの免疫系、筋肉の肥大、心筋肥大などの骨格筋系、脳梗塞、心筋梗塞などの虚血性、アルツハイマー病、パーキンソン病などの神経脱随性疾患に直接、間接的に関わることが報告されています。私達は、これらの因子の解析を通して、多くの疾患の機序を明らかにするとともに、その診断方法や治療薬の開発を目指しています。

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次世代遺伝子解析による癌の研究

私達は都立病院や大学病院と連携を組むことで、次世代シークエンス技術を用いて、ウイルス感染や内在性ウイルス断片が起こす発がんや癌の悪性化に関して研究しています。情報伝達系に関わる多様な分子群の同時解析による創薬支援や、治療効果予測による個別化医療、さらには超早期診断による生活習慣病の予防的治療に応用することを目指しています。

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癌・感染症などの診断法開発


高齢化社会を迎え、癌、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病人口が急増し、経済的にも社会的にも大きな問題を将来に控えています。また、再興・新興感染症の脅威が差し迫っています。この状況を打破し医療費の削減や患者のQOL向上を実現する為にも、疾患を早期に診断し、的確な薬効予測に基づく投薬で早期に完治する予防的治療の確立が急務です。本プロジェクトは、(1)各種癌の診断、(2)高病原性インフルエンザなどの感染症の診断法、の開発を行っています。

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実用化と橋渡し研究

病気の早期診断技術や治療法の開発を効率的に進めるためには、病院との「橋渡し研究」や企業との密接な連携が必須です。2005年3月、私達の開発したMUSTag法の実用化に向け、(財)東京都医学研究機構発のバイオベンチャーであるシンセラ・テクノロジーズ社を立ち上げ、診断機器開発のために各企業と共同開発を進めています。また、産官学医連携をより強固に、効率よく進めるため、2011年8月31日、「東京バイオマーカー・イノベーション技術研究組合(通称;とびら)」を設立しました。このとびらは、東京都医学総合研究所、東京都健康長寿医療センター、首都大学東京、東京農工大が中心となり、企業8社が参加した経産大臣認可の非営利公益法人です。

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