2017年2月6日(毎日新聞、科学新聞、日経産業新聞)
新聞報道「血液一滴、15分以内にわかる簡易な子宮頸がんワクチン効果判定キット」


要約
東京都の特別研究の一環として、(公財)東京都医学総合研究所・芝崎 太 参事研究員らは、子宮頸がんワクチン接種後に血液中で上昇するパピローマウイルス16型、18型に対する血中抗体価※1を、血液1滴以下を用いて15分以内で測定できる簡易イムノクロマトキット開発に成功しましたのでご報告致します。
子宮頸がんは、子宮頸部にできるがんで、年間約1万人以上が罹患し、約3,000人の患者さんが亡くなります。このがんの発症にはヒトパピローマウイルス(HPV)と呼ばれるウイルスが関わっており、80%以上の患者さんでこのウイルスが検出されます。子宮頸がん予防ワクチンを接種することで、ヒトパピローマウイルスの感染を防ぐことを目的に,日本では2009年にサーバリックス(Cervarix)、2011年にはガーダシル(Gardasil)が製造承認を受け,14歳から16歳の女子を中心に接種が始まり、国内では338万人以上、世界では1億人以上が接種を受けています。生憎にも日本では約2,500人(0.08%)の方に有害事象が起こったと疑義が持たれ、現在、国を挙げてその因果関係を調査しています。
これまで実施された研究成果から、ワクチンを3回接種することにより少なくとも約8年間は子宮頸がんの発症予防効果があることが実証され、さらに20年間は高い抗体価が維持されると推定されています。しかしながら、抗体価の上昇度には個人差がある可能性があり、来年度から日本国内でもワクチン接種後の血中抗体価のサーベイランス(調査監視)が実施される予定です。
本キットは、この国家サーベイランスに役立つばかりでなく、指先から採血した一滴以下の血液で測定可能なため、将来的にはクリニック等でも抗体価のチェックが簡便に行える利点が期待できます。
なお、本キットの開発は、東京バイオマーカー・イノベーション技術研究組合(TOBIRA、理事長:松田浩珍)の組合員であるシンセラ・テクノロジーズ株式会社(代表取締役 渡辺一平)、アドテック株式会社(代表取締役:渡辺幹雄)、および臨床共同研究施設として三重大学・婦人科(池田智明教授)、がん感染症センター都立駒込病院・小児科(現埼玉県立がんセンター・川村眞智子医師)、そして女性と心のクリニック(安藤義将院長)との産官学医連携体制を通して実施されました。
この研究成果は、米国科学雑誌「POLS One(プロスワン)」の23日(米国東部時間14時)付オンライン版で発表されます。

1 研究の背景
子宮頸がんは、子宮癌の約7割を占め、30代後半の年代をピークとし、年間約1万人の方が罹患し、約3,000人の患者さんが亡くなるがんです。最近では2030代の女性にも増えてきており、少子化が社会問題化している昨今、子宮頸がんの発症予防や治療が喫緊の課題となっています。
 ヒトパピローマウイルス(HPV)は、子宮頸部に病理的な所見がない女性でも1020%、海外では性行為を経験した女性の5080%HPVに感染すると報告されています。幸いにも、このウイルスが感染しても90%以上のケースでは2年以内にウイルスは自然排出されると考えられているものの、残りの10%程度では自然に排出されず、数年から数十年に渡って持続感染し、子宮頸がんに進展すると報告されています。
 子宮頸がんはHPVが主たる原因であるため、HPVに対するワクチンを接種することによって発症を予防できる可能性が海外の研究から報告されました。
HPVには100種類以上の亜型が存在しますが、16型、18型による感染が60%を占め、この2つの亜型に対するワクチンが、本邦では2009年、2011年にそれぞれサーバリックス(Cervarix16型、18型の2価ワクチン)、ガーダシル(Gardasil16,18,6,11型の4価ワクチン)が製造販売認可を受け、延べ330万人以上の日本人女性に接種されました。対象は1416歳を中心に筋肉内に3回接種されています。このワクチンを接種すると、各HPVの亜型に対する血液中の抗体が産生され、子宮頚部でHPVの感染を防ぐことが報告されていますが、作用機序の詳細は、いまだ明らかになっておりません。なお、約8年間は子宮頸がんの発症予防効果を有することが実証され、20年間は高い抗体価※1が維持される製薬会社の研究では推定されています。
 しかしながら,本邦では、約2,500人(0.08%)の方に「副作用の疑いがあり」と判断されたため国家を挙げてその原因調査を開始しましたが、目下のところ、厚労省もワクチン接種に関しては推奨することを控えています。
 ところで,本ワクチン接種では、抗体価の上がり方に個体差があるのではないかと推定されたため、国でも来年度から接種者の抗体価をサーベイランスする事に加え、予防効果についても詳細な調査が今後行われる予定です。

2 開発の概要
平成20年より東京都はインフルエンザやがんに関し、診断法や治療薬の研究開発を積極的に推進してきました。この度、(公財)東京都医学総合研究所の芝崎 太研究員らは、東京バイオマーカー・イノベーション技術研究組合(TOBIRA)の組合員である大学、企業ならびに都立病院などとの産学医連携体制を通し、イムノクロマト法を用い、血液一滴以下というごく微量の血液サンプルを用いて、採血後15分以内にHPV16型、18型に対する血中抗体価を測定できるキットを開発することに成功しました。
本キットは、従来の金コロイドを使用する方法とは異なり、測定原理として二次抗体による酵素反応を用いて血液中の抗体を検出するため、抗体価を高感度に測定することが可能になりました。さらに、血液サンプル量がごく微量でも測定可能ですので利便性にも長けています。
なお、本キット判定は、200名以上のワクチン接種者の協力を得て、三重大学、がん感染症センター都立駒込病院、女性と心のクリニックなどの医療機関で実施されました。判定は目視により8段階で実施され、従来のELISA法※3と相関することも示されました。さらに、16型と18型の亜型に対する抗体価も個別に測定することが可能であり、有効血中抗体価が持続しているかどうかの判定にも有用であると考えられています。

3 今後の展望
今回開発したキットは、摂取したワクチンの持続効果について血中抗体価を指標として定量的に測定することが可能なため、国家でのサーベイランスだけではなく、クリニックや個人でも、無痛針によるごく微量血液を用いて測定が可能です。さらに、接種後5年以上経った時点でも抗体価を指標としてワクチン効果判定等にも使用できる可能性があります。本キットはH29年度中に検査キットとして国内外で上市することを予定しています。

※1 抗体価:産生された抗体の量を示す指標
※2 金コロイド:1マイクロメートル以下の金微粒子(ナノ粒子)が、流体中に分散しているコロイド。タンパクの標識に用いられる。
※3 ELISA法: 試料中に含まれる抗体あるいは 抗原の濃度を検出・定量する際に用いら
れる方法

2015年6月19日(都政新報)
新聞報道「難病治療の副作用 判定キットを開発」医学研

ファブリー病治療薬に対する有害免疫反応を判定できる迅速測定キットを開発
都政新報
~副作用につながる血液中の阻害抗体の迅速測定が可能に

要約
(公財)東京都医学総合研究所(理事長:前田秀雄)・芝崎 太 参事研究員は、明治薬科大学・櫻庭 均教授、シンセラ・テクノロジーズ社(代表取締役 村口和孝)等との産学共同研究を通して、遺伝性難病であるファブリー病の治療薬Agalsidase alpha (アガルシダーゼ アルファ:レプレガル™)、Agalsidase beta (アガルシダーゼ ベータ:ファブラザイム™)に対する血中抗体を迅速簡易に測定する方法を開発することに成功しました。上記2つの蛋白製剤を用いたファブリー病の酵素補充療法では、これらの蛋白製剤に対する血中抗体により、アレルギーや治療効果の減弱などの有害免疫反応が見られます。本キットは血液中の阻害抗体を迅速にしかも簡易に測定でき、治療中の副作用の予測やここの患者さんに合った治療に繋がると期待されます。
ファブリー病は、身体の代謝にとって重要な糖脂質分解酵素であるアルファ ガラクトシダーゼAlpha galactosidase: GLA) の量や質に異常があり、代謝産物が全身の臓器に蓄積することにより、激しい痛みや腎臓、心臓および脳血管障害を来たす遺伝性難病です。この疾患は、長い間有効な治療法がありませんでしたが、最近では的確な診断がなされれば、遺伝子工学で作った組換えGLA(レプレガル™、ファブラザイム™)を補充する酵素補充療法が可能になっています。実際に、本邦でも600人以上の患者さんたちが、この酵素補充治療を受けており、年々その数が増加傾向にあります。ファブリー病患者さんの場合、そのほとんどの方が、腎不全、心不全、心筋梗塞や脳卒中などの症状を来たすため、早期治療が必要です。
ファブリー病の治療として用いられる酵素補充療法では、高頻度に血液中にアレルギーや治療効果を減弱させる阻害抗体が出現します。これまでもこの阻害抗体を測定する方法はあったのですが、操作が煩雑で、結果を得るまでに長時間を要し、ベッドサイドで迅速に測定できるキットがなかったため、個々の患者さんに対する副作用の把握が難しい状況でした。
そこで、本研究では、血液中の治療製剤に対する血液中の阻害抗体の量を迅速にしかも簡易に測定することを目的として、イムノクロマト法を用いた迅速検査キットの開発に成功しました。この方法により、血液1滴で20分以内にベッドサイドでも測定が可能になりました。その結果、副作用の病態解明だけでなく、酵素補充治療に伴う有害免疫反応の発生を予測し、対策を立てることが期待されます。
この研究成果は、4月??日午後5時(米国東海岸時間)4月??日午前7時(日本時間)に米国学専門誌「PLOS ONE(プロスワン)」オンライン版に概掲載されます。

1.研究の背景
ファブリー病は、身体の代謝にとって重要な酵素であるGLAの量や質に異常があり、激しい痛みや腎臓、心臓および脳血管障害を来たす遺伝性難病です。この疾患は、長い間有効な治療法がありませんでしたが、最近では的確な診断がなされれば、遺伝子工学で作った組換えGLAを補充する治療が可能になっています。実際に、本邦でも600人以上の患者さんたちが、この酵素補充治療を受けており、年々その数が増加傾向にあります。従来、ファブリー病はとても稀な病気であると考えられてきましたが、最近の疫学調査により、日本人約9,000人に一人という比較的高い頻度で発症する、臨床的にとても重要な疾患であることが明らかになりました。ファブリー病の原因は、GLAを作る遺伝子の異常にありますが、その遺伝子異常の種類は様々です。そして、こうした遺伝子異常の多様性により、GLAの量や質の異常も様々で、それに伴ってそれぞれのファブリー病患者さんの発症年齢や重症度も異なること、さらに、GLA異常の中には、とくに治療を必要としない「機能的異型」と呼ばれるタイプも存在することが明らかになりました。こうした機能的異型を示す人は、韓国人や日本人では、人口の0.5-1%にも及ぶといわれています。一方、ファブリー病患者さんの場合、そのほとんどの方が、腎不全、心不全、心筋梗塞や脳卒中などの症状を来たすため、早期治療が必要です。
2.開発の内容
ファブリー病の治療として用いられる酵素補充療法では、高頻度に血液中にアレルギー反応を惹き起したり治療効果を減弱させたりする阻害抗体が出現します。2種類の酵素製剤は、別々の会社から異なった方法で製造され、使用量も異なっていたために、副作用の頻度や程度が十分に比較されていませんでした。また、これまでにもこれらの製剤使用時の血液中の阻害抗体を測定する方法はありましたが、操作が煩雑で、結果を得るまでに長時間を要し、ベッドサイドで迅速に測定できるキットがなかったため、個々の患者さんに対する副作用の迅速な把握が難しい状況でした。
そこで、本研究では、血液中の治療製剤に対する血液中の阻害抗体の量を、迅速に、しかも簡易に測定することを目的として、イムノクロマト法を用いた迅速検査キットの開発に成功しました。この方法により、血液1滴で20分以内にベッドサイドでも測定が可能になりました(次ページ図参照)。
また、本研究では、国内外の主要な研究者、医師のご協力により、治療製剤であるファブラザイムとレプラガルのそれぞれ、あるいは両者の治療を受けた29名のファブリー病の患者さん、および20名の健常者の血液中の阻害抗体を通常のELISA法にて調べました。同様の方法で、新しく開発した迅速簡易イムノクロマトにて測定した結果、従来のELISA法とほぼ同様の結果が20分以内に判定でき、しかも0-8段階で抗体量が判別可能でした。これまで、上記2製剤による阻害抗体の出現の仕方がかなり異なることが予想されていましたが、実際にはどちらも同様の出現率、反応性が認められました。
3.今後の展望
今回開発したイムノクロマト法により、血液1滴で20分以内にベッドサイドでも測定が可能になりました。その結果、副作用の病態解明だけでなく、酵素補充治療に伴う有害免疫反応の発生を予測し、対策を立てることが期待されます。

2015年2月9日
新聞報道「季節性インフルエンザを高感度測定できる簡易診断法を開発」

~季節性インフルエンザ(A型B型)を発症早期に検出可能な高感度イムノクロマト~

東京都インフルエンザ特別研究として、(公財)東京都医学総合研究所・芝崎 太 参事研究員らは、従来の方法と比較し、季節性インフルエンザA型およびB型ウイルスを同時にしかも簡易・高感度で検出できる2種類のイムノクロマトの開発に成功しました。一つは高感度蛍光イムノクロマトキットとその測定機器で、従来よりも100倍以上の高感度を達成し、鼻咽頭ぬぐい液ならば発症3時間以内でも検出可能になりました。二つ目は、感度が従来よりも10倍の高感度でありながら測定機器を使わず2種類の検出をカラーの色合いで識別できるカラーイムノクロマトです。屋外や電気設備場ない場所、価格の問題で測定機器導入が難しい場合などでは、蛍光イムノクロマトよりは感度が落ちるものの、A型、B型の判定をカラーで同時に目視判定できるカラーイムノクロマトの使用が考えられます。
今回開発した2つイムノクロマト法では、A型、B型の両方を同時に高感度で検出でき、しかもA型の検出においては、鳥インフルエンザを起こすH5N1ウイルスの他にもH2、H3、H7、H9など、これまでアジア各国で発生しているウイルス亜型株や、今後発生する可能性のある亜型株のすべて検出できるため、一次スクリーニングには大きな威力を発揮することが期待されます。また、これらのイムノクロマトは、検出する抗体を代えるだけで、他の感染症にも容易に応用できるため、国内だけでなく発生地区や、空港など感染症が侵入する第一線現場での使用が可能となります。
なお、この開発は東京バイオマーカー・イノベーション技術研究組合(TOBIRA、理事長:田中啓二)の組合員であるシンセラ・テクノロジーズ(株)(東京本社、代表取締役 村口和孝)、コニカミノルタ(株)(東京本社、代表執行役社長:山名昌衛)、アドテック(株)(大分本社、代表取締役:渡辺幹雄)、および北海道大学・大学院獣医学研究科(迫田義博教授)の産学連携によるものであり、2つのイムノクロマトは、すでに本年6月には厚労省の認可を得ているため、早期販売に向けた製造が進められているところです。
この研究成果は、蛍光イムノクロマト法が米国科学雑誌「POLS One(プロスワン)」の2月4日(米国東部時間)付オンライン版で、カラーイムノクロマトは、米国科学雑誌「Journal of Virological Methods」に2015年7月10日に発表されました。

1.研究の背景
H1N1ウイルスによるA型やB型の季節性のインフルエンザは最近では毎年発症し、さらには新型インフルエンザとして、2009年に発生したパンデミック(世界的流行)を起こしたブタ由来新型インフルエンザ(H1N1)に加え、家禽や渡り鳥の間で流行している鳥インフルエンザではH5N1ウイルスおよびH5N2ウイルス、さらには今年中国で発生したH7N9ウイルスによる感染例が報告されています。
季節性インフルエンザ(A型、B型)では、現在、簡易型のイムノクロマト法により10-15分程度で診断が可能ですが、検出感度が余り良くないため、発症直後(1-2日以内)などの早期には陰性になる事が多く、24時間以内の早期の治療薬の投与が難しいことが指摘されております。
また、今年発症が確認された中国でのH7N9ウイルスでは、鳥での発症だけでなく人から人への感染例が報告され、今後大流行する可能性も指摘されています。さらに以前から問題になっています鳥インフルエンザ(H5N1)では、全世界で500名以上の感染例があり、60%近い致死率を示すなど高病原性を持つことが報告されており、今後世界的な大流行の危険性も危惧されています。このため高感度で、H変異株すべてを検査可能な高感度で簡易な検査法の確立が望まれていました。

2.開発の内容
東京都は平成20年よりこれらの危険なインフルエンザへの対応として、診断法、治療薬の開発を進めてきました。この度、(公財)東京都医学総合研究所の芝崎等は、東京バイオマーカー・イノベーション技術研究組合の各社、各大学、都立病院などの臨床病院との産学医連携にて、従来のイムノクロマト法の100倍以上の高感度で季節性A型およびB型インフルエンザウイルスを検出できる高感度蛍光イムノクロマトとその検出機器の開発に成功しました。この開発には一部経済産業省の平成22年度「課題開発型医療機器の開発・改良に向けた病院・企業間の連携支援事業」による助成を受け行いました。この方法では、従来の金コロイドを使用する方法に代え、蛍光色素を抗体に結合させた蛍光イムノクロマト法を独自に開発し、さらにこの蛍光色素を高感度に測定できる小型検出機器を開発することで高感度化に成功しました。
(1) 高感度蛍光イムノクロマト法では、蛍光イムノクロマトリーダー(測定機器)を用いることで、通常の鼻咽頭ぬぐい液にて、最長15分以内にA型、B型の両方を同時に100倍以上の高感度で検出できます。この方法は鼻咽頭拭い液を用いて、従来法と同じ手順、同じ時間内(最長15分以内)で高感度に測定可能です。臨床試験では通常の鼻咽頭ぬぐい液を用いたA型判定の場合、発症12時間以内に97%の患者さんで陽性判定が可能でした。中には発症3時間以内の患者さんでも検出可能であることが実証されたため、発症早期の診断による治療開始が可能となります。
(2) カラーイムノクトマトは、従来よりも10倍の高感度ですが、測定機器が不要でカラーによる識別のために読み違いがなく診断できます。蛍光イムノクロマトよりは感度が落ちるものの、屋外や電気設備場ない場所、価格の問題で測定機器導入が難しい場合に有用です。

3.今後の展望
今回開発した高感度蛍光イムノクロマトでは、100倍の高感度化が達成されたため、患者さんによっては発症3時間以内に診断できることも実証されました。これにより従来では発症早期(特に12時間以内)に陰性で処方できなかった薬剤を処方できるようになることや、将来的には簡便な咽頭のぬぐい液を用いて薬局などで診断が可能なることが予想されます。一方、カラーイムノクロマトは、従来品より10倍の感度でありながら、測定機器が不要なため、小さなクリニックでも容易に導入できます。将来的には製造価格も安く抑えられるため、アジア各国などインフルエンザ発生地区において、初期診断やサーベイランスにも用いることが期待されます。
今回、北海道大学・迫田義博教授との共同研究にて行った自然分離株での検定では、両方のイムノクロマトでも、A型判定で、H1N1(2009年の新型インフルエンザも含む)を始めとするH2、H3、H5N1(高病原性トリインフルエンザ株)H7、H9の各亜型株すべてを検出できることが判明しました。季節性インフルエンザA型、B型以外は保険点数外になりますが、高病原性トリインフルエンザのパンデミックや新しいタイプのインフルエンザ発生の際には、空港、クリニックなどでも使用可能であり、診断の補助手段として早期の発見だけでなく、ワクチンや治療薬の準備、囲い込みの効率化におおきく寄与できることが期待されます。
さらに、これらのイムノクロマトは、検出する抗体を代えるだけで、他の感染症にも応用できるため、現在問題となっているデング熱、エボラなどの新興感染症の際のウイルス検出への応用も可能です。
PLOS ONE: Published: February 4, 2015 DOI: 10.1371/journal.pone.0116715
Journal of Virological Methods. 2014. DOI: 10.1016/j.jviromet.2014.08.025

2014年6月19日~20日
2014 YONSEI BK21 PLUS-IGAKUKEN Joint Symposium

2017-03-10

2014年6月19日~20日
2014 YONSEI BK21 PLUS-IGAKUKEN Joint Symposium


会場:Chang Ki-Won International Conference Room, Yonsei University



会場 Chang Ki-Won International Conference Room

2012年3月8日
第一回研究フォーラムが「東京バイオマーカー・イノベーション技術研究組合」主催で行われました。

2017-03-10

2012年3月8日 
第一回研究フォーラムが「東京バイオマーカー・イノベーション技術研究組合」主催で行われました。


会場:コクヨ多目的ホール(品川)
協賛:東京商工会議所、日本製薬工業協会、公益財団法人 東京都中小企業振興公社
プログラム



研究フォーラムHP:http://www.dialogue2005.com/tobira_forum/index.html

2011年12月18日
産業技術大学院大学のAPENによるハノイ訪問

2017-03-10

2011年12月18日  
産業技術大学院大学のAPENによるハノイ訪問


東京産業技術大学院大学のAPEN12月から4日間の予定でベトナムのハノイを訪問しました。







APENとは?
 21世紀のアジア(主に新興国、開発途上国)の発展の鍵となるのは、主として製造業部門における膨大な量の、かつ優れた質の産業人材開発(i-HRD)です。

 APENは、大学(大学院)教育における産業人材開発方法として極めて優れるPBL(Project Based Learning)型教育を発展させ、かつアジアに普及することを目的として2011年6月に設立された国際組織です。

 APEN設立時(2011年6月6日)の加盟国は、日本(産業技術大学院大学)、中国(上海交通大学)、韓国(浦項工科大学校)及びベトナム(ベトナム国家大学)の4か国で、2011年10月3日にカンボジア(カンボジア工科大学)及びインドネシア(バンドン工科大学)、2011年10月6日にタイ(タマサート大学)、2011年11月28日にマレーシア(マレーシア工科大学)、2011年12月1日にラオス(ラオス国立大学)、2012年2月13日にシンガポール(ナンヤン工科大学)が加盟し、現在の加盟国は10か国となっています。事務局は日本の産業技術大学院大学が務めます。
APEN:http://aiit.ac.jp/frame/global/apen.html

2011年12月15日
「超高感度同時多項目測定法開発チーム」 芝崎 太、櫻井 陽、内藤暁宏、野村奈美子、岩田典子の5名が、「東京都スピリット賞」を受賞しました。

2017-03-10

2011年12月15日  
「超高感度同時多項目測定法開発チーム」 芝崎 太、櫻井 陽、内藤暁宏、野村奈美子、岩田典子の5名が、「東京都スピリット賞」を受賞しました。

 受賞した功績の概要は以下のとおりです。
件名
次世代を担う新たな診断基盤技術の開発・実用化
功績
従来の100~1,000倍の高感度で、同時に複数の病気を 診断できる新たな技術を開発、実用化を推進している。
内容
抗原を認識する抗体に、人工合成したDNAを目印として結合させ、 増幅して検査することで高感度化を実現
目印であるDNAの長さや配列を変えることで、同時に複数の病気の診断が可能
疾患の超早期発見(例:転移前の超早期でのがん発見)や、治療の効率化等を可能とする、次世代を担う画期的な診断基盤技術として期待される

成果
新技術による研究試薬が研究機関等にて積極的に活用
⇒約20の大学・研究所、約10の企業で使用実績
新技術によるがん診断薬(膀胱がん、子宮頚がん)が臨床検証段階に到達
新技術を活かし、インフルエンザ診断用の超高速遺伝子増幅装置を開発、平成22年秋に都立駒込病院に設置
 判定時間の大幅短縮を実現 従来4~5時間 ⇒ 30分以内

※東京スピリット賞とは、都が民間から寄付を頂き、平成13年度に新設した制度です。

2011年10月19日
とびら設立パーティー開催:8月31日に設立された東京バイオマーカー・イノベーション技術研究組合(とびら)の設立記念パーティーが(公財)東京都医学総合研究所講堂で催されました。

2017-03-10

2011年10月19日  
とびら設立パーティー開催:8月31日に設立された東京バイオマーカー・イノベーション技術研究組合(とびら)の設立記念パーティーが(公財)東京都医学総合研究所講堂で催されました。







(財)東京都医学総合研究所は、診断・医療機器の産業化へ向けて東京都の研究所・大学、東京農工大と連携し「技術研究組合(とびら)」を設立。「先進医療都市東京」を目指し、産官学医連係による医療分野での開発を加速させる。

最近の科学技術の進歩により、早く診断し的確な治療を行うことで、難病や不治の病も完治させることが可能になってきました。この「予防・早診完治、健康増進」を目標に、診断・医療機器の開発を加速させるため、(財)東京都医学総合研究所は、東京都の主要研究所・大学である地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター、公立学校法人首都大学東京、に加え、国立大学法人東京農工大学と連係して「東京バイオマーカー・イノベーション技術研究組合(略称:とびら)」を設立しました。8月22日に経済産業省の大臣認可を受け、10月より本格的な活動を開始します。この技術研究組合には、日本各地の特色ある技術を持つ大企業やバイオベンチャー7社も組合員として参加しています。
当初のプロジェクトとして、公立病院との医療連携により、高病原性インフルエンザの遺伝子診断を普及させるための簡易・高速遺伝子診断法の開発、高齢者のリハビリや筋肉の萎縮を定量評価する診断システムの開発、高速画像診断システムの開発に取り組み、将来的には医療IT分野、医工連携による医療機器開発にも取り組む予定です。

「とびら」の特徴
① 東京には、国公立私立病院など高度な医療施設が多数存在しており、大規模な医療連携が可能となる。
② 東京都の学術・研究施設が初めて総括的な連係を行うことで、研究開発が加速される。
③ 東京農工大が持つ獣医関連病院や高度動物施設など獣医領域との連係で、前臨床研究開発が効率化される。
④ 次世代の診断技術、機器開発、製造、臨床試験、薬事申請、販売などの各分野の企業が参画することにより確実な実用化、産業化が可能になる。
⑤ 医療IT分野、医工分野での新しい開発が加速される基盤を持つ。

正式名称
東京都バイオマーカー・イノベーション技術研究組合(略称:とびら)
Tokyo Biomarker Innovation Research Associate (TOBIRA)

主要役員
理事長:小畑秀文((国) 東京農工大学特別招へい教授・前学長)
副理事長:米川博通((財)東京都医学総合研究所・知財センター長)
副理事長:丸山直記((地独)東京都健康長寿医療センター研究所・副所長)
副理事長:礒邉俊明((公)首都大学東京・教授) 
専務理事:小出 徹 (中外製薬株式会社・元臨床企画部長)

参加組合員(設立時11社)
アカデミック会員(4社)
・財団法人東京都医学総合研究所(世田谷区・桜山豊夫理事長)
・地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(板橋区・松下正明理事長)
・国立大学法人東京農工大学(府中市・松永是学長)
・公立大学法人首都大学東京(新宿・高橋宏理事長)
企業会員(7社)
・コニカミノルタエムジー(株)(日野市・児玉 篤社長)
・(株)積水インテグレーテッドリサーチ(京都市・上ノ山智史社長)
・(株)エスアールエル(立川市・小川眞史社長)
・パルステック工業(株)(浜松市・熊谷正史社長)
・アドテック(株)(大分県・渡辺幹雄代表取締役)
・(株)ノベルテック(神戸市・松田久仁子社長)
・シンセラ・テクノロジーズ(株)(文京区・村上佳知美社長)

事務局:
農工大産官学連携・知的財産センター 府中サテライト
      (東京都府中市幸町3丁目5−8)
事務局長:小出 徹

技術研究組合の説明資料
技術研究組合は、産業活動において利用される技術に関して、組合員が自らのために共同研究を行う相互扶助組織(非営利法人)です。各組合員は、研究者、研究費、設備等を出しあって共同研究を行い、その成果を共同で管理し、組合員相互で活用します。

平成21年の改正により、研究開発終了後に会社化して研究成果の円滑な事業化が可能になるなど、従来よりも使いやすい制度になりました。今後は、大企業、中小ベンチャー企業、大学・公的研究機関等により幅広く活用されることが期待されます。
(http://www.meti.go.jp/policy/tech_promotion/kenkyuu/kenkyuuindex.html)

2011年6月24日から26日
第10回記念「Conference for BioSignal and Medicine (CBSM2011)」が開催されました。

2017-03-10

2011年6月24日から26日  
第10回記念「Conference for BioSignal and Medicine (CBSM2011)」が開催されました。


会場
軽井沢プリンスホテルウエスト
住所 : 〒389-0193 長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢
TEL : 0267-42-1111
FAX : 0267-42-7139
本大会HP:http://cbsm2011.p1.bindsite.jp/CBSM_Index/index.html

本大会の役員構成(Organizing Committee Member)
CBSM 2011 大会長(President of CBSM 2011):   芝崎 太
副会長  (Vice President):                吉澤利弘
会計幹事 (Secretary of Financial Affairs):      吉村真理子
科学幹事 (Secretary of Academic Affairs):     馬目佳信
薬事幹事 (Secretary of Pharmaceutical Affairs):  海邊 健
獣医幹事  (Secretary of Veterinary Affairs):     松田浩珍
医療幹事 (Secretary of Medicine):           池田智明
海外幹事 (Secretary of International Cooperation): Kwon Ho Jeong

Council Member of CBSM
事務局長: 芝崎 太
幹事:小出 徹、馬目 佳信、吉澤 利弘、松田浩珍、池田智明、海邊 健
会計幹事: 吉村 真理子、野村 奈美子

本大会の運営メンバー
受付 (Registration)
吉村真理子 (Mariko Yoshimura)
川上祐子 (Yuko Kawakami)
野村奈美子 (Namiko Nomura)
岩田典子 (Fumiko Iwata)
総合案内(General Infomation)
橋本麻紗子 (Masako Hashimoto)
ポスターセッション (Poster Session)
櫻井 陽 (Akira Sakurai)
展示ブース (Booth Exhibition)
早川英毅 (Hideki Hayakawa)
コンピューター設定 (Computer setting)、タイムキーパー(Time Keeper)
貞任大地 (Daichi Sadato)
スライド受付(Slide Registration)
細川幸生 (Yukio Hosokawa)
写真 (Photographic Record)
早川英毅 (Hideki Hayakawa)
ナイトディスカッション (Night Discussion)
田島陽一 (Yoichi Tajima)
川島育夫 (Ikuo Kawashima)
プログラム作成 (Program Organization)
芝崎 太 (Futoshi Shibasaki)
内藤暁宏 (Akihiro Naito)
吉村真理子 (Mariko Yoshimura)

2011年6月24日から26日 
プロジェクトリーダーの芝崎 太が平成23年度文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を受賞しました。

2017-03-10

2011年4月11日  
プロジェクトリーダーの芝崎 太が平成23年度文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を受賞しました。


分子医療プロジェクト芝崎太 副参事研究員が平成23年度科学技術分野の文部科学大臣表彰・科学技術賞(研究部門)を受賞しました。受賞業績名は「高感度同時多項目測定法を用いた診断技 術の研究」です。授賞式は2011年4月13日(水)に京王プラザホテルで行われるはずでしたが、東北地方太平洋沖地震の被害状況等を踏まえて、中止となりました。

科学技術分野の文部科学大臣表彰・科学技術賞とは―

科学技術分野の文部科学大臣表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進などにおいて顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、日本の科学技術水準の向上に寄与することを目的として定められました。その中の科学技術賞は、開発部門、研究部門、科学技術振興部門、技術部門、理解増進部門の5つに分かれており、日本の科学技術分野において、顕著な功績をあげた者を対象としたものです。本年度は112名の受賞(うち研究部門は47件)が決定されました。 ( 科学技術分野の文部科学大臣表彰の決定について)


文部科学省HP

平成23年度 文部科学大臣表彰科学技術賞者一覧PDF

2010年11月22日 
田島陽一研究員に平成22年度三菱財団助成金が贈呈されました。受賞テーマは「免疫寛容を導入したヒト化ファブリー病マウスを用いた新規ファブリー病の治療効果」

2017-03-10

2010年11月22日  
田島陽一研究員に平成22年度三菱財団助成金が贈呈されました。受賞テーマは「免疫寛容を導入したヒト化ファブリー病マウスを用いた新規ファブリー病の治療効果」


自然科学研究助成

近年の自然科学の進歩はめざましく、各学問分野の研究の深化はもとより、分野間の相互作用によりつぎつぎに新たな研究領域が誕生しつつあります。
このような状況のもとで本事業は、これらの科学・技術の基礎となる独創的かつ先駆的研究とともに、既成の分野にとらわれず、すぐれた着想で新しい領域を開拓する萌芽的研究に期待して助成を行います。
自然科学のすべての分野(注)に関わる、すぐれて独創的な研究を助成の対象と致します。
さらに複数に分野にまたがる新しい現象を模索する実験・論理や、環境問題の基礎的研究も対象と致します。
三菱財団HP

助成先一覧

2010年12月17日 
東京都福祉保健医療学会で櫻井 陽研究員が口頭発表の部で優秀賞受賞

2017-03-10

2010年12月17日  
東京都福祉保健医療学会で櫻井 陽研究員が口頭発表の部で優秀賞受賞


演題名:超高速RT-PCRによる迅速亜型診断系の確立

東京都臨床医学総合研究所 分子医療プロジェクト:
○櫻井 陽、南波玲子、野村奈美子、内藤暁宏、森實芳仁、芝崎 太
 都立駒込病院・臨床検査科:大林民典、後藤 薫
東京都健康安全研究センター・微生物部:新開敬行、長谷川道弥、保坂三継、甲斐明美


発表の詳細な内容:Content.pdf

表彰状:

東京都副費保健学会

東京都及び区市町村の病院、福祉施設、保健所や研究機関、社会福祉法人の施設などの福祉保健医療関係者が、広く一堂に会し、日ごろの研究成果や取組を発表し、職員相互の自己研さんを図るとともに、その成果を行政サービスに活かしていくことを目的として、「東京都福祉保健医療学会」を開催します。
 今年度の学会では、「医学・医療」「看護」「保健衛生」「福祉」の分野ごとに、口頭発表及びポスターセッション発表を行います。
 また、「非がん性難治疾患における緩和ケア」をテーマに、医療関係者及び研究者の方々によるシンポジウムを行います。
1 日時

 平成22年12月17日(金曜日) 午前9時から午後5時45分まで
2 会場

 東京都社会福祉保健医療研修センター (別紙のとおり)
3 プログラム

シンポジウム「非がん性難治疾患における緩和ケア」
※「第28回 日本医学会総会2011 東京」のプレシンポジウムとして開催
 座長
 東京都立神経病院 院長 松原四郎氏
 シンポジスト
 国立長寿医療研究センター病院 呼吸機能診療科 西川満則氏
 東京都立神経病院 神経内科医長 川田明広氏
 第一医院 院長 谷口亮一氏
 東京都神経科学総合研究所 主任研究員 小倉朗子氏
口頭発表
 46題(医学・医療、看護、保健衛生、福祉の各分野)
ポスターセッション
 30題(医学・医療、看護、保健衛生、福祉の各分野)
デモンストレーション
 自殺対策等事業の展示
 知的障害者参加型事業の紹介


2010年12月9日 
臨床研ポスター発表会でで櫻井 陽研究員が優秀賞受賞

2017-03-10

2010年12月9日  
臨床研ポスター発表会でで櫻井 陽研究員が優秀賞受賞

2010年12月20日

臨床研ポスター発表会優秀賞6名の表彰式が開催されました。

臨床研ポスター発表会は、2010年11月24日(水)に臨床研2階講堂で開催され、各研究室から合計23名の研究員・研修生が発表を行いました。各PIと研究室からのピアレビューと投票により、優秀賞は以下の方々に決定致しました。 おめでとうございます。

北島 健二(幹細胞プロジェクト)
山本 圭 (脂質代謝プロジェクト)
三木 寿美(脂質代謝プロジェクト)
櫻井 陽 (分子医療プロジェクト)
小野 弥子(カルパインプロジェクト)
尾勝 圭 (蛋白質分解プロジェクト)

名前の順番はポスター番号順です。
優秀賞ポスターは、1階エントランスホールに展示されました。

表彰式は12/20(月)11時より、4階セミナー室で開催され、賞状と副賞のレーザーポインターと研究費が贈呈されました。



(受賞者の皆さん:前列左から、尾勝さん、小野さん、櫻井さん、三木さん、山本さん、北島さん)

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2010年9月8日 
東京MXTVのニュースで放映「都の研究所 世界初!正常な血管をどこにでも」

2017-03-10

2010年9月8日  
東京MXTVのニュースで放映「都の研究所 世界初!正常な血管をどこにでも」



東京都が医療分野の研究所を持っていることをご存知でしょうか。このほど、この研究所が世界で初めて正常な血管を作ることに成功しました。
 世田谷区にある東京都臨床医学総合研究所は、医学の基礎研究から病院と連携しての臨床研究まで幅広いエリアをカバーしています。今回、世界初の実験に成功したのは“どこにでも正常で強力な血管を作ること”です。マウスの体内に正常で強力な血管を作り出すことに成功しました。臨床医学総合研究所の芝崎太さんは「臨床応用に結び付きやすいという面がある。そういう意味で、世界一と言ってよいと自負している」と話します。今回の成功について芝崎さんは「いろいろな研究をしたが、ある遺伝子を深く研究していくと、非常に偶然だが正常な血管ができるときのスイッチだったということが見つかった」と振り返ります。芝崎さんのグループは脳卒中の研究をしていますが、その過程で「正常な血管を作るスイッチ」となる遺伝子を発見し、その遺伝子に働き掛けることで、マウスの体内に動脈、静脈を作ることに成功しました。巨額な研究費を投じる世界の製薬企業などとの研究競争に勝ち、先月、この分野では最も権威があるとされるアメリカの学会誌に取り上げられました。発見から5年、ようやく世界に認められました。芝崎さんは「2、3の有名雑誌に門前払いを食ったこともあって、悔しい思いもした」と振り返りますが「一番大事なのはあきらめないこと。自分が信じたものがあれば絶対あきらめずにやる。それしかない」といいます。
 この成果は将来、心筋梗塞などの血管の病気、血管が詰まることで起きる壊疽(えそ)などの疾患に応用することが期待されています。芝崎さんは「レベルの高い基礎研究と病院がマッチすれば、都民だけでなく患者さんすべてにいろいろ恩恵をもたらせるのではないかと、研究所を含め日夜努力している」と話します。
 地方自治体が医療分野の研究機関を持つことは極めて珍しいといいます。研究員160人に対し投入される予算は日本の中堅製薬会社の1割程度の年間40億円にしかなりません。しかし、今年に入ってから次々に画期的な研究成果が発表されています。パーキンソン病についての研究成果もありました。都の福祉保健局の枦山日出男さんは「民間ではなかなか手が出せない“患者の数が少ない”などの分野についても研究を進めて、困っている人のために成果を出していく」と話しています。
 現在、特に強化しているのはインフルエンザやがんにかかっているかを判定する診断薬の開発ということです。研究成果は都として特許を取ることが目標となります。福祉保健局の枦山さんは「自治体が特許をとることで、一部メーカーが独占して権利を使用することにならない。広くいろいろな機関に特許を提供することで、広く都民に研究の利益を還元できる」と研究所の意義を語ります。
 営利を追求しないからこそできる研究成果に今後も期待が集まります。MXTVニュース記事より

2010年9月2日 
毎日新聞に掲載「血管:動脈と静脈を同時に作成…都臨床医研、マウスで成功」:Circulationの内容

2017-03-10

2010年9月2日  
毎日新聞に掲載「血管:動脈と静脈を同時に作成…都臨床医研、マウスで成功」:Circulationの内容


 マウスの皮膚の下に人工的に動脈と静脈を同時に作ることに、東京都臨床医学総合研究所などの研究チームが世界で初めて成功
し、米医学誌サーキュレーションに発表した。心筋梗塞(こうそく)などの治療法開発が期待される。
 研究チームは乳がん発症を抑える機能を持った遺伝子が、皮膚の下に正常な血管を作るのを妨げる「ストッパー」という役割も果たし
ていることを発見した。そこで、ストッパー機能を消す分子を新たに作り出し、マウスにこの分子を体内で作らせる物質を注射。5日目に
は、注射をしていないマウスに比べ、約10倍の長さの動脈と静脈が作られることを確認した。
 人工的に血管を作る方法はこれまでもあったが、作られたのは動脈か静脈の片方のみだったほか、血管はもろかった。同研究所の芝
崎 太プロジェクトリーダーは「サルやブタなどで心筋梗塞が治るかを確認しなければならないが、早ければ5年程度で実用化できるので
はないか」と話す。【斎藤広子】

毎日新聞 2010年9月2日

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2010年8月31日 
産経新聞掲載「世界初、人工血管作成にマウス実験で成功 東京都医学究機構」:Circulationの内容

2017-03-10

2010年8月31日  
産経新聞掲載「世界初、人工血管作成にマウス実験で成功 東京都医学究機構」:Circulationの内容


 東京都医学研究機構は30日、都臨床医学総合研究所などが世界で初めて、人工的に正常な血管を作ることにマウス実験で成功したと発表した。皮膚の損傷や脳卒中、心筋梗塞(こうそく)などへの新たな治療法開発が期待されるという。研究成果は31日の循環器病分野の最高峰とされる米国学術専門誌「Circulation(サーキュレーション)」に掲載される。
 研究は、都臨床医学総合研究所の柴崎太副参事研究員と都立駒込病院らの研究グループが実施。柴崎研究員らはこれまで乳がん抑制因子として知られていた遺伝子が、正常な血管の形成を妨げる「ストッパー」の役割を担っていることを突き止め、この遺伝子の作用を消すRNA(リボ核酸)分子を新たに作り出し、ストッパー機能を取り除くことに成功したという。
 マウス実験では、マウスの皮下に正常で丈夫な動脈と静脈を同時に作ることに成功。さらに糖尿病のマウスの傷ついた皮膚に用いたところ、治癒を早めることができたという。
 従来の研究でも、動物実験で人工的に血管を作ることができたが、ほとんど弱い動脈のみだった。都医学研究機構は「サルを用いた動物実験で、この技術に毒性がないことを確認している。大手の製薬企業などの支援があれば、早ければ5年ほどで実用化できるのではないか」としている。

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2010年8月30日 
米国循環器病学会誌「Circulation」にInt6の血管新生に関する研究内容が掲載

2017-03-10

2010年8月30日  
米国循環器病学会誌「Circulation」にInt6の血管新生に関する研究内容が掲載


8月30日付けの米国循環器病学会誌「Circulation」に発表.
著者:陳リー、Alexander Endler、内田和代、堀口慎一郎、森實芳仁、飯島 修、戸井雅和、芝崎 太 
タイトル:Int6/eIF3e Silencing Promotes Functional Blood Vessel Outgrowth and Enhances Wound Healing by Upregulating Hypoxia-Induced Factor 2 Expression」 2010, 122, 910-919.   LinkIconCirculation HP

  (財)東京都医学研究機構 東京都臨床医学総合研究所の芝崎太副参事研究員と都立駒込病院(乳腺外科、病理科)らのグループの共同研究において、乳がん抑制因子として知られていた遺伝子が、正常な血管を作る際のストッパー役として作用していることを発見しました。この遺伝子の作用を消すRNA分子(siRNA)を新たに作製し、ストッパーを外すことにより、世界で始めてマウスの皮下に動脈と静脈からなる正常な血管をつくることに成功しました。さらに、正常マウスや糖尿病マウスの皮膚損傷にこのRNA分子を用いたところ、損傷した皮膚の治癒を早めることができました。この発見により、心筋梗塞や脳梗塞、下肢の動脈閉塞、床ずれなどの治療への道が広がる事が期待されます。
  この研究成果は、8月16日(米国時間)に循環器病分野では最高峰とされる米国循環器病学専門誌「Circulation(サーキュレーション)」オンライン版に概要版が掲載され、8月31日(米国時間)に全文が掲載されました。
臓器の形成や血液の循環には欠かせない血管の形成の仕組みの解明は、臓器の再生やがんの治療薬開発、心筋梗塞、脳卒中などの治療に大きく貢献することが期待されています。動脈や静脈など正常な血管を作る仕組みは明確ではなく、人工的に生体で正常な血管を作ることはまだ非常に難しいのが現状です。
芝崎研究員等のグループでは、空気中の酸素が低くなると反応し、血管を作る作用を持つ遺伝子の一つである低酸素反応性因子「HIF」の新たな機序を解析し、そのうちの一つである「HIF2α」のタンパク発現を減少させるストッパー遺伝子「Int6」を同定しました。RNA干渉によりこの「Int6」遺伝子の作用を消すRNA分子を用いたところ、「HIF2α」のタンパク発現が上昇しました。そこで、マウスの皮下にこのRNA分子を作るベクター(運び屋)を打ち込むと、5日目には使用していないマウスに比べ10倍近い正常な動脈と静脈が形成されることを発見しました。このことからInt6は通常HIF2αの作用を抑制しているが、抑制効果がなくなるとHIF2αの作用が活発になり、正常な動脈・静脈を増やしていることが判明しました。
  次にこのRNA分子を用いて、マウスの皮膚に傷を付け回復する過程を観察すると、通常に比べ治りが早く、糖尿病マウスを用いた実験でも同様の効果が得られました。
  今回の発見により、正常な動脈・静脈が作られる仕組みが明らかになりました。さらにその仕組みにもとづいて開発されたRNA分子を用いて、次のような疾患に応用することが期待できます。
①皮膚の損傷、特に糖尿病などで下肢の血管が詰まるために起こる「壊疽(えそ)」
②寝たきりの患者で起こる「床ずれ」
③心筋梗塞や脳梗塞などの虚血性疾患
④iPSなどを用いた再生医療や細胞移植などが必要な疾患
このRNA分子についてはすでに特許を申請しており、今後は、他の研究施設や企業との共同研究によりRNA医薬として開発を進めます。

2010年3月11日 
(財)東京都医学研究機構 第9回研究交流フォーラムでのランチョンセミナー

2017-03-10

2010年3月11日 
(財)東京都医学研究機構 第9回研究交流フォーラムでの発表


平成22年3月11日(木)に、東京BIネット協賛にて、民間企業等との一層の連携推進を目指して第9回研究交流フォーラムが開催されました。本フォーラムでは、シンセラ・テクノロジーズ社、日本ミリポア社、トラストメディカル社が協賛し、芝崎司会によるランチョンセミナーを行い、大勢の参加者で盛況でした。

尚、等プロジェクトからポスター発表も行いました。

1.MUSTag法を用いた体外診断薬の開発と産学医連携
森實 芳仁、早川 英毅、岩田 典子、金子 愛、槇坂 典子、芝崎 太


2.超高速RT-PCRによる30分以内のインフル遺伝子診断 櫻井 陽
野村 奈美子、内藤 暁宏、金子 愛、森實 芳仁、芝崎 太




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2009年12月18日
インフルグループが東京都福祉保健学会にて最優秀賞を受賞

2017-03-10

2009年12月18日
インフルグループが東京都福祉保健学会にて最優秀賞を受賞


インフルグループの内藤暁宏研究員が「東京都福祉保健医療学会」口頭発表最優秀賞を受賞しました。

 東京都及び区市町村の病院、福祉施設、保健所や研究機関、社会福祉法人の施設などの福祉保健医療関係者が、広く一堂に会し、日ごろの研究成果や取組を発表 し、職員相互の自己研さんを図るとともに、その成果を行政サービスに活かしていくことを目的として開催される「東京都福祉保健医療学会」において、東京都臨床医学総合研究所の内藤暁宏研究員が口頭発表の最優秀賞を受賞しました。

 今年度の学会では、「医学・医療」「看護」「保健衛生」「福祉」の分野ごとに、口頭発表及びポスターセッション発表が行われました。内藤研究員は「医学・医療」分野において、「超高速リアルタイムPCRを用いたインフルエンザ診断」という演題名で口頭発表を行い、最優秀賞となりました。今後の研究の大きな発展が期待されます。

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2009年11月6日
シンセラ・テクノロジーズ社が東京都ベンチャー大賞受賞

2017-03-10

2009年11月6日
シンセラ・テクノロジーズ社が東京都ベンチャー大賞受賞


(財)東京都医学研究機構発のバイオベンチャーで、芝崎太プロジェクトリーダーが取締役を務める「シンセラ・テクノロジーズ社」が、東京都の「2009年ベンチャー技術大賞」を受賞

 平成21年11月6日(金)に、東京都は、中小企業の革新的で将来性のある製品や技術を表彰する「2009年ベンチャー技術大賞」の表彰式を、東京ビッグサイトで開催された産業交流展2009の会場内(東4ホール・メインステージ)で行いました。

 都内の中小企業から148件の応募があり、芝崎プロジェクトリーダーが取締役を務め、癌やウィルスなどの診断薬、医療診断装置を手掛けるシンセラ・テクノロジーズ社が、超高感度同時多項目測定(MUSTag)法を開発して大賞を受賞したほか、7社が優秀賞などで表彰されました。


東京都ベンチャー技術大賞とは―
ベンチャースピリットに富む中小企業が開発した、時代を創る革新的で将来性のある製品・技術を表彰することにより、東京の産業の活性化と雇用の創出を図ることを目的とした制度で、今年は10年目に当たります。都内の中小企業が開発し販売する、商品化5年以内の製品・技術を対象としており、最も優れた技術に「大賞」が贈られ、その他に「優秀賞」「奨励賞」「特別賞」が数点ずつ撰ばれます。

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